リスティング広告の費用:3つの構成要素
リスティング広告の費用は「クリック費用(広告費)」「代行手数料(任意)」「初期設定費(任意)」の3つで構成されます。
クリック費用は広告が1回クリックされるたびに発生するコストで、Google広告・Yahoo!広告はともに入札形式です。1クリックの単価(CPC)は業種・キーワード・競合状況によって50円〜3,000円と幅があります。
代理店に運用を依頼する場合は、広告費に加えて月額の代行手数料(広告費の15〜20%)と初期設定費(5〜20万円)が加わります。
本記事では初めてリスティング広告を検討する方向けに、費用の仕組みと適切な予算の決め方を解説します。
クリック費用(CPC)の仕組みと相場
CPC(Cost Per Click)はGoogle広告のリアルタイムオークションで決まります。広告を表示する機会(オークション)のたびに、広告主が入札した金額と品質スコアを掛け合わせた「広告ランク」で順位が決定します。
CPCに影響する3つの要素
- 入札額:上限として設定する1クリックあたりの金額
- 品質スコア:広告の関連性とLPの品質(1〜10)
- 競合の入札状況:同じキーワードに入札している競合の数と入札額
業種別CPC目安
- BtoB(システム・コンサル):500〜3,000円/クリック
- 不動産・住宅:200〜1,000円/クリック
- 医療・クリニック:200〜800円/クリック
- EC(衣料・雑貨):50〜200円/クリック
月間クリック数の試算
月額広告費を設定すると、CPCに応じて1ヶ月に獲得できるクリック数が決まります。
例:月額10万円 ÷ CPC 500円 = 月間200クリック

適切な月額予算の決め方
予算の設定に悩む方が多いですが、「目標から逆算する方法」が最も合理的です。
ステップ1:目標CV数を決める
月間に何件のコンバージョン(問い合わせ・購入・申込)を獲得したいかを決めます。 例:月間問い合わせ10件
ステップ2:許容CPAを算出する
CPA(Cost Per Acquisition)=1件の成果を得るために許容できるコスト。
許容CPA = 顧客LTV × 利益率
例:LTV 20万円、利益率25% → 許容CPA = 50,000円
ステップ3:必要な月額広告費を計算する
月額広告費 = 目標CV数 × 目標CPA
例:10件 × 50,000円 = 月額50万円
予算が少ない場合の考え方
予算が少ない段階では「テスト検証」として位置づけ、月額5〜10万円でどのキーワードが成果に繋がるかを検証することをおすすめします。予算が少なすぎると統計的に意味あるデータが集まらないため、最低でも月額5万円以上から開始しましょう。

初期費用と固定費用の内訳
リスティング広告を始める際にかかる費用の全体像を整理します。
自社運用の場合
| 費用項目 | 金額目安 | 頻度 |
|---|---|---|
| Google広告アカウント登録 | 無料 | 一回限り |
| ツール費(キーワード調査) | 0〜2万円/月 | 毎月 |
| 社内担当者の学習コスト | 50〜100時間 | 初期 |
| 広告費 | 予算次第 | 毎月 |
代行に依頼する場合
| 費用項目 | 金額目安 | 頻度 |
|---|---|---|
| 初期設定費 | 5〜20万円 | 一回限り |
| 月額手数料 | 広告費の15〜20% | 毎月 |
| 最低手数料 | 3〜10万円 | 毎月(最低額) |
| 広告費 | 予算次第 | 毎月 |
代行コストの損益分岐点
社内専任担当者(年収500万円)の人件費は月約42万円。月額広告費が100万円未満の場合は代行の方がコスト効率が良いことが多いです。

費用対効果(ROI)の測り方
広告費を投じた効果を正確に評価するためのKPIを理解しましょう。
主要な費用対効果指標
ROAS(Return On Ad Spend:広告費用対効果)
ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100
目安:300%以上(EC事業では500%以上が理想)
CPA(Cost Per Acquisition:顧客獲得単価)
CPA = 広告費 ÷ CV数
目安:業種LTVの10〜30%以内
CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)
CVR = CV数 ÷ クリック数 × 100
目安:業種によるが1〜5%が一般的
費用対効果を改善する2つのアプローチ
- 広告側の改善:除外キーワード追加・広告文最適化・入札戦略変更
- LPの改善:CTAの明確化・フォームの簡略化・信頼性要素の追加
LPのCVRが2%から4%に改善されると、同じ広告費で2倍の成果が得られます。広告費を増やす前にLPの改善を優先することをおすすめします。
まとめ:費用は目標から逆算して設定する
リスティング広告の費用は、業種・予算・運用形態によって幅がありますが、「月間目標CV数 × 許容CPA」で逆算すれば必要な予算が明確になります。
代行を依頼する場合は広告費の15〜20%の手数料が加わることを考慮して、総コストで費用対効果を判断してください。
費用対効果を高めるためには、広告の最適化と並行してLPの改善を行うことが最も効果的です。まず小規模なテスト予算(月5〜10万円)で成果の出るキーワードを検証し、効果が確認できたら予算を拡大するアプローチをおすすめします。