ディスプレイ広告サイズの基礎知識と選定が成果を左右する理由

ディスプレイ広告サイズの選定は、広告のインプレッション数・クリック率・費用対効果に直結する。Google Ads の公式データでは、推奨サイズを網羅したキャンペーンはそうでないキャンペーンに比べてリーチが最大で50%拡大するとの報告がある。

しかし、Google ディスプレイネットワーク(GDN)だけで20種類以上、Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)で15種類以上のサイズが存在し、さらにMeta広告(旧Facebook広告)やLINE広告でも独自の規格がある。どのサイズを優先すべきか、デバイス別にどう使い分けるかを把握しないまま入稿すると、配信面の機会損失が生まれる。

この記事では、2026年時点の主要プラットフォーム別サイズ一覧と、限られたリソースで最大効果を得るための優先順位を整理する。

この記事でカバーする内容

  • GDN・YDA・Meta広告のサイズ一覧と入稿規定
  • デバイス別・配信面別のサイズ選定ガイド
  • クリエイティブ制作を効率化する実践テクニック

Google ディスプレイ広告(GDN)のサイズ一覧と入稿規定

GDNで配信可能な主要バナーサイズ

GDNは200万以上のWebサイト・アプリに広告を配信でき、対応サイズは20種類を超える。ただし、実務で押さえるべきサイズは限られる。Google 広告ヘルプのイメージ広告のサイズ一覧を参照すると、以下のサイズがインプレッション占有率の上位を占める。

サイズ(px) 名称 配信面 優先度
300×250 ミディアムレクタングル PC・モバイル両対応 最優先
336×280 ラージレクタングル PC中心
728×90 リーダーボード PCヘッダー
160×600 ワイドスカイスクレイパー PCサイドバー
320×50 モバイルバナー モバイル専用 最優先
320×100 ラージモバイルバナー モバイル専用
300×600 ハーフページ PC・タブレット
970×90 ラージリーダーボード PC上部
250×250 スクエア PC・モバイル
200×200 スモールスクエア PC・モバイル

GDN入稿時のファイル要件

  • ファイル形式: JPEG、PNG、GIF(アニメーションGIF対応)
  • ファイルサイズ上限: 150KB
  • レスポンシブディスプレイ広告の推奨画像: 横長 1200×628px、スクエア 1200×1200px
  • ロゴ: 横長 1200×300px、スクエア 1200×1200px(透過PNG推奨)

レスポンシブディスプレイ広告の活用

2026年現在、Googleはレスポンシブディスプレイ広告を強く推奨している。横長画像とスクエア画像を登録すれば、配信面に合わせてサイズが自動調整される。手動で全サイズのバナーを制作するリソースがない場合、まずレスポンシブ形式から着手するのが現実的な判断だ。

詳しいGDN設定手順はGoogle ディスプレイ広告(GDN)の特徴・設定・最適化ガイドで解説している。

Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)のサイズ一覧

YDAの主要バナーサイズと配信面

YDA(旧YDN)はYahoo! JAPANのトップページ、Yahoo!ニュース、提携サイトに配信される。日本国内のリーチではGDNと並ぶ規模を持つ。

サイズ(px) 配信面 備考
300×250 PC・スマートフォン 最も汎用性が高い
600×500 スマートフォン(2倍解像度) 300×250のRetina対応
728×90 PCヘッダー Yahoo!トップなどに掲載
160×600 PCサイドバー ニュース面で多い
320×50 スマートフォンバナー モバイル下部に表示
640×100 スマートフォン(2倍解像度) 320×50のRetina対応
320×100 スマートフォン大型バナー インフィード面
1200×628 レスポンシブ用横長 インフィード広告向け
1200×1200 レスポンシブ用スクエア インフィード広告向け

YDA固有の入稿規定

  • ファイルサイズ上限: 静止画 3MB、GIFアニメ 3MB
  • 最小文字サイズ: 縦横50px以上が推奨(視認性確保)
  • 審査基準: 主体者情報の明示が求められ、ロゴや会社名の視認が不十分だと非承認になるケースがある
  • Retina対応: スマートフォン向けは2倍サイズ(600×500、640×100)で入稿すると画質劣化を防げる

GDNとYDAの共通サイズを活かす制作戦略

300×250、728×90、320×50の3サイズはGDN・YDA両方で使える。この3つを先に制作すれば、1セットのクリエイティブで両プラットフォームに出稿でき、制作コストを抑えながらリーチを最大化できる。広告改善の進め方はディスプレイ広告の改善方法:CTR・CVR・CPAを改善する実践ガイドが参考になる。

Meta広告・LINE広告のサイズ規格

Meta広告(旧Facebook広告)の推奨サイズ

Meta広告はフィード・ストーリーズ・リール・右側広告枠など配信面ごとに推奨アスペクト比が異なる。2026年時点の主要規格は以下の通りだ。

配信面 推奨サイズ(px) アスペクト比
Facebookフィード 1080×1080 1:1
Instagramフィード 1080×1080 1:1
ストーリーズ・リール 1080×1920 9:16
右側広告枠 1200×628 1.91:1
Audience Network 1200×628 1.91:1
カルーセル 1080×1080(各カード) 1:1

注意点: Meta広告では画像内テキスト量が多いと配信ボリュームが抑制される傾向がある。画像上のテキストは見出し程度に抑え、詳細はキャプション欄に記載する設計が有効だ。

画像サイズの詳細な入稿仕様はMeta広告画像サイズ完全ガイドで配信面ごとに整理している。

LINE広告の推奨サイズ

LINE広告はトークリスト上部・LINE NEWS・タイムラインなど独自の配信面を持つ。

配信面 推奨サイズ(px) アスペクト比
Card(横長) 1200×628 1.91:1
Square 1080×1080 1:1
Vertical(動画) 1080×1920 9:16
Small Image 600×400 3:2
カルーセル 1080×1080 1:1

LINE広告もファイルサイズ上限は10MBだが、表示速度を考慮すると1MB以内に圧縮するのが実務上の目安になる。

デバイス別サイズ選定の優先順位

モバイルファーストの選定基準

2026年現在、日本のWebトラフィックの約75%がモバイル経由だ(Statcounter GlobalStats参照)。広告の表示回数もモバイルが圧倒的に多いため、サイズ選定はモバイルから優先するのが合理的だ。

モバイル優先で制作すべきサイズ(上位3つ):

  1. 300×250(ミディアムレクタングル)— モバイル・PC両対応で最も汎用性が高い。記事中やアプリ内に表示され、視認性とCTRのバランスが良い
  2. 320×50(モバイルバナー)— 画面下部に固定表示されるケースが多く、インプレッション数を稼ぎやすい
  3. 320×100(ラージモバイルバナー)— 320×50の2倍の高さで視認性が向上。CPMは上がるがCTRも高い傾向がある

PC向けの追加サイズ

BtoB商材やデスクトップ利用率が高い業種では、PC向けサイズも押さえる。

優先順 サイズ 配置場所 特徴
1位 728×90 ページ上部 記事冒頭に目に入りやすい
2位 300×600 サイドバー 面積が大きく訴求力が高い
3位 160×600 サイドバー 設置サイトが多い
4位 970×90 ページ上部 大型サイトで採用が増加

業種別の推奨サイズ構成例

業種 必須サイズ 追加推奨サイズ
EC・D2C 300×250, 320×50, 1080×1080 320×100, 1080×1920
BtoB SaaS 300×250, 728×90, 300×600 160×600, 970×90
不動産・人材 300×250, 320×100, 1200×628 728×90, 336×280
飲食・店舗 300×250, 320×50, 1080×1080 1080×1920

クリエイティブ制作を効率化する5つの実践テクニック

テクニック1: マスターデザインからの展開フロー

全サイズを1から制作するのではなく、1080×1080のスクエア画像をマスターデザインとして作成し、そこからトリミング・リサイズで他サイズに展開する方法が効率的だ。具体的な展開順は以下の通り。

  1. 1080×1080(スクエア)を制作 → Meta・LINEのフィード広告に使用
  2. 1200×628(横長)にリサイズ → GDNレスポンシブ・YDAインフィードに使用
  3. 300×250にトリミング → GDN・YDAのバナー枠に使用
  4. 320×50、728×90は要素を絞って新規レイアウト

テクニック2: セーフゾーンを意識した構図設計

バナーの端15%は、配信面によってはトリミングやUIの重なりが発生する。主要な訴求テキスト・CTAボタン・ロゴは画像中央70%の範囲に収める「セーフゾーン設計」を徹底すると、どのサイズに展開しても情報が欠けない。

テクニック3: ファイルサイズの最適化

GDNの150KB制限は意外と厳しい。以下の圧縮手順で対応する。

  • PNG → JPEGに変換(透過不要の場合)で40〜60%削減
  • TinyPNG等のツールで非可逆圧縮 → さらに20〜30%削減
  • グラデーション・写真を多用する場合はJPEG品質80%が画質と容量のバランス点
  • 文字主体のデザインはPNG8(256色)で軽量化

テクニック4: ABテストを前提としたバリエーション設計

1サイズにつき最低2パターン(訴求軸違い or デザイン違い)を用意し、配信データでCTR・CVRを比較する。全サイズを2パターン作ると制作量が倍増するため、まず300×250で勝ちパターンを検証し、確定した訴求を他サイズに展開する流れが実務的だ。ディスプレイ広告の基本概念から理解したい場合はディスプレイ広告とは?仕組み・種類・費用を徹底解説も参照してほしい。

テクニック5: レスポンシブ広告とバナー広告の併用

レスポンシブディスプレイ広告だけに頼ると、自動生成されたレイアウトがブランドイメージと合わないケースがある。レスポンシブ広告でリーチを確保しつつ、主要3サイズ(300×250、728×90、320×50)は手動バナーも並行配信し、パフォーマンスを比較検証する運用が成果を出しやすい。

まとめ

ディスプレイ広告のサイズ選定は、配信プラットフォーム・デバイス比率・業種特性の3軸で判断する。

優先度 アクション 期待効果
最優先 300×250、320×50、1080×1080の3サイズを制作 GDN・YDA・Meta・LINEの主要配信面をカバー
728×90、1200×628を追加 PC面とインフィード面のリーチ拡大
レスポンシブディスプレイ広告を併用 未カバーの配信面を自動補完
推奨 300×250で訴求ABテストを実施し勝ちパターンを横展開 CTR改善とクリエイティブ制作コスト削減の両立

まず300×250の1サイズから着手し、データを見ながらサイズを追加していく段階的アプローチが、リソースを無駄にしない進め方だ。


くるみでは、ディスプレイ広告のサイズ選定からクリエイティブ制作・運用改善まで一貫して支援している。「どのサイズから始めるべきか判断がつかない」「クリエイティブの制作体制を整えたい」という方は、お気軽にご相談ください。