LINE広告の料金を調べている方へ:まず現状の結論
最初に結論です。LINE広告とYahoo!広告は2026年4月1日に「LINEヤフー広告」へ統合され、旧LINE広告の新規アカウント作成は2026年6月30日のシステムリリース以降できなくなりました(出典: LINE広告 新規アカウント作成終了のお知らせ)。旧LINE広告の配信自体も2026年10月下旬頃に停止し、その後段階的に提供終了が予定されています(出典: 広告プラットフォーム統合のお知らせ)。
つまり、これから「LINE広告の料金」を調べる場合に参照すべきは、旧LINE広告ではなく、現行のLINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の料金体系です。ネット上に残る旧LINE広告時代の課金方式・最低入札価格・相場記事をそのまま予算計画に使うと、存在しない前提で計算することになります。
現行仕様の要点は3つです。最低出稿金額と初期費用はなく(出典: LINEヤフー広告 公式ページ)、課金タイプはクリック・ビューアブルインプレッション・動画再生・友だち追加の4種類、実際の単価はオークションで決まります。
この記事でわかること
- 現行の4課金タイプそれぞれの費用発生点と向いている目的
- 「最低出稿金額がない」ことと「実際の単価」がどう決まるかの区別
- 目標件数と許容獲得単価から総予算を逆算するワークシート
- 1日の予算が超過し得る公式仕様と、日次・月次の請求上限ルール
- 成果が出ないときに何から切り分けるか
読み終えたときに、自社の数字で「いくらで何を検証し、どの条件で止めるか」を決められる状態を目指します。
現行の4つの課金タイプ比較:費用発生点と向く目的
課金タイプとは、どのユーザー行動に対して費用が発生するかを決めるルールのことです。LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の公式料金ページでは、次の4タイプが示されています(出典: ディスプレイ広告(運用型)の料金・費用、2026年7月時点)。
| 課金タイプ | 費用が発生する点 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| クリック課金 | 広告がクリックされたとき。クリックされなければ費用は発生しない | サイト誘導・問い合わせや購入の獲得 |
| ビューアブルインプレッション課金 | 広告がユーザーの視認できる領域に表示されたとき。1,000回表示(vCPM)ごとに計算 | 認知拡大・リーチの最大化 |
| 動画再生課金 | 動画が一定秒数視聴されたとき | 動画によるサービス理解の促進 |
| 友だち追加課金 | LINE公式アカウントの友だちが1人追加されたとき | 友だち獲得と継続的な顧客接点づくり |
旧LINE広告で「CPF」と呼ばれていた友だち追加の成果課金は、現行では友だち追加課金として引き継がれています。一方、旧仕様の配信面別の単価目安などは現行の判断材料になりません。
選ぶ基準は「成果として数えたいもの」
単価の安さから入ると判断を誤ります。起点は、その課金イベントが増えたとき事業のどの数字が動くか、です。サイトで問い合わせを獲得したいならクリック課金、まず知られる必要があるならビューアブルインプレッション課金、LINE上で顧客接点を育てたいなら友だち追加課金が基本線になります。動画再生課金は、テキストや静止画では伝わりにくい商材の理解促進に向きます。

最低出稿金額なし=安く済むではない:単価の決まり方
料金判断では、「最低出稿金額がないこと」と「実際にいくら支払うか」を分けることが重要です。公式ページには「最低出稿金額はございません」と明記されており、予算に合わせた金額設定が可能です(出典: LINEヤフー広告 公式ページ)。ただしこれは参入障壁がないという意味であって、単価が安い・固定されているという意味ではありません。
実際の単価はオークションで決まる
ディスプレイ広告(運用型)では、広告掲載の機会ごとにオークションが実施され、オークションランクはおもに入札価格と広告の品質をもとに算出されます(出典: 公式料金ページ)。つまり同じ商材でも、競合の入札状況、ターゲット設定の広さ、クリエイティブへのユーザーの反応によって支払う単価は変動します。
ここで注意したいのが、旧LINE広告時代の情報の扱いです。旧仕様の最低入札価格や、第三者がまとめた「平均CPC◯円」といった相場記事は、統合前の別プラットフォームの数字であり、現行の予算計画の根拠に使えません。LINEヤフーは平均クリック単価や平均友だち追加単価を公表していないため、外部の数字で予算を固めること自体に無理があります。
自社の実単価を知る最も直接的な方法
では何を根拠にすべきでしょうか。自社アカウントの実測値です。少額で一定期間配信し、管理画面に出る実際のクリック単価・表示単価・友だち追加単価を確認する。この実測値を次月以降の計算の主な根拠にします。検証時は配信期間・ターゲット設定・クリエイティブ本数を記録してください。条件の記録がないと、次の配信で単価が動いたときに原因を特定できなくなります。

総予算ワークシート:目標から逆算する計算式
広告予算は、外部の相場ではなく、自社の目標件数と許容獲得単価から逆算して決めることが重要です。さらに媒体費・クリエイティブ検証費・計測運用費を分けて積むと、開始後に想定外の出費に気づく事態を防げます。
計算式と入力項目
- 許容獲得単価 = 受注1件あたりの許容販促費 × 商談化率 × 受注率
- 媒体費(月) = 目標件数 × 許容獲得単価
- 総予算 = 媒体費 × 検証月数 + クリエイティブ制作・検証費 + 計測・運用費
ポイントは、許容獲得単価を問い合わせ1件の単位まで割り戻すことです。問い合わせ総数だけを見ていると、商談にならない問い合わせを高く買い続けても気づけません。
計算例(すべて仮定値)
| 入力項目 | 記入例(仮定値) | 備考 |
|---|---|---|
| 受注1件あたりの許容販促費 | 200,000円 | 自社の粗利構造から設定 |
| 商談化率 × 受注率 | 40% × 25% | 問い合わせ10件で受注1件の想定 |
| 許容獲得単価(問い合わせ1件) | 20,000円 | 200,000円 × 0.4 × 0.25 |
| 目標有効問い合わせ数 | 10件/月 | 有効の定義を先に決める |
| 媒体費 | 200,000円/月 | 10件 × 20,000円 |
| 検証期間 | 2〜3カ月 | 判定に必要な件数がたまる長さで設定 |
| クリエイティブ制作・検証費 | 別途計上 | 訴求違いの複数本を用意する費用 |
| 計測・運用費 | 別途計上 | タグ設置・レポート・改善の工数または外注費 |
この表は計算手順を示すためのもので、成果予測ではありません。単価と比率はすべて自社の実測値・自社の粗利構造に置き換えてください。実際の運用でどんな費用配分になったかはLINE広告の費用事例も参考になります。

1日の予算は厳密な上限ではない:超過と請求のルール
資金管理では、1日の予算を厳密な支出上限と見なさないことが重要です。1日の予算は配信量をコントロールするための設定であり、その日の支出がぴったりその金額で止まる仕組みではありません。公式コラムでは、キャンペーンの広告利用料金が1日の予算の範囲内におさまるようシステムが表示・非表示を自動制御すると説明されていますが(出典: 公式コラム:料金の仕組み)、制御は目安であり、コストが設定額を超える日は起こり得ます。
請求には日次と月次の上限がある
超過し得る一方で、請求は無制限ではありません。現行のディスプレイ広告(運用型)では、1日に発生したコストのうち請求対象になるのは1日の予算の200%までとされ、あわせて「1カ月の請求限度額」(1日の予算に当月の日数を掛けて算出)が設けられました。月間の限度額を超えた請求は発生しません(出典: 現行ヘルプ「キャンペーンの1日の予算と請求」)。「設定額で確実に止まる」わけではないが「青天井」でもない、というのが正確な理解です。適用条件の最新版は、出稿時に管理画面とヘルプで確認してください。
資金管理の判断順序
- 資金枠の確保: 1日の請求は理論上、1日の予算の2倍まであり得る前提で月の資金枠を見積もります
- 予算設定の調整: 金額は後から変更できるため、検証の進み具合に応じて見直します。管理画面での設定はLINE広告の予算設定方法で解説しています
- 停止条件の文書化: 「検証期間の満了時」「実測単価が許容獲得単価の◯倍に達した時」など、止める条件を配信開始前に決めておきます
停止条件を先に書き出しておくと、「もう少し回せば改善するかもしれない」という心理で予算が溶けるのを防げます。

配信AIに任せる領域と、人が設計する領域を分ける
予算配分を考えるとき、私たちは配信AIが担う領域と人が担う領域の線引きを最初に決めます。誰に・いつ・どの枠で配信するかという最適化は、統合後のプラットフォームでも配信AIの領域になっており、細かなターゲティング調整に人の工数を割いても差がつきにくくなっているためです。
クリエイティブが、ターゲットを連れてくる。媒体AIは自動でユーザーのクラスタを切って配信し、クラスタごとに刺さる訴求は違う。必要なのは似たクリエイティブの量産ではなく、訴求軸・トーン・フォーマットが構造的に異なる「真の多様性」を揃えることです。
(出典: 株式会社くるみ「AIネイティブ広告運用の設計思想」2026年)
クリエイティブ検証費を独立枠にする理由
この前提に立つと、前のワークシートで検証費を媒体費と別枠にした理由が見えてきます。媒体費だけ確保して1本のバナーを回し続けると、配信AIに探索の材料を渡せず、どの訴求がどの層に効くのかを学習させられません。逆に、顧客の異なる悩みごとに構造的に違う訴求を複数本入稿すれば、配信AIが訴求ごとに合う層を見つけにいきます。
かつては複数本の制作コストが障壁でしたが、生成AIの活用で1本あたりの制作単価は下げられるようになりました。少額の検証予算でも、媒体費を一部削ってでも訴求のバリエーションを確保する配分が現実的な選択肢になっています。人が担うべきは、自社の顧客が抱える別々の悩みを言語化し、構造的に異なる訴求として設計する部分です。ここは待っていても配信AIが代わりにやってくれません。
成果が出ないときの切り分け:5つの順序
成果不振の原因究明では、計測、配信量、クリエイティブ、遷移後、商談品質の順に切り分けることが重要です。順序を飛ばすと、計測の不備が原因なのにクリエイティブを差し替え続けるような遠回りが起きます。
切り分けの順序と見るポイント
- 計測: コンバージョン計測タグが正しく設置・発火しているかを最初に確認します。ここが壊れていると、以降のすべての判断が誤ったデータに基づくことになります
- 配信量: 表示やクリックがそもそも十分に出ているかを見ます。入札や1日の予算が低すぎると配信自体が伸びず、判定に必要なデータがたまりません
- クリエイティブ: 表示されているのにクリックされない場合は訴求の問題です。同じ1本の微修正を繰り返すより、構造的に異なる訴求を追加して比較します
- 遷移後: クリックはあるのに問い合わせに至らない場合、広告ではなくランディングページやフォームでの離脱を疑います
- 商談品質: 問い合わせは来るのに商談にならない場合、訴求内容と呼び込んでいる相手がずれています。量ではなく「誰を呼ぶか」の問題です
件数は「有効問い合わせ」で数える
5番目の論点は見落とされがちです。問い合わせ総数ではなく、自社の対象条件を満たす有効問い合わせで成果を数えてください。有効率が低いまま媒体費を増やしても、商談化しない問い合わせの仕入れ値が上がるだけです。ワークシートの目標件数も有効問い合わせベースで設定し、月次で問い合わせ→商談→受注のつながりまで確認すると、広告費の良し悪しを事業の数字で判断できます。

LINE広告の料金に関するFAQ
統合後の料金について、検討段階でよく出る質問をまとめました。
旧LINE広告のアカウントを持っていない場合、どこから出稿すればよいですか?
LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)から出稿します。旧LINE広告は2026年6月30日以降、新規アカウント作成ができず、配信も2026年10月下旬頃に停止予定です(出典: LINEヤフー for Business 公式告知)。LINEのトークリストに加えてYahoo! JAPANのトップページなど提携面にも同じ管理画面から配信できる構成になっています。
設定した1日の予算を超えて費用が発生することはありますか?
あり得ます。1日の予算は配信量の目安で、コストが設定額を超える日があります。ただし請求対象は1日の予算の200%までで、1日の予算に当月日数を掛けた1カ月の請求限度額も適用され、それを超えた請求は発生しません(現行ヘルプより)。
4つの課金タイプはどう選べばよいですか?
成果として数えたいものから選びます。サイトでの問い合わせ・購入ならクリック課金、認知拡大ならビューアブルインプレッション課金、動画での理解促進なら動画再生課金、LINE公式アカウントの友だち獲得なら友だち追加課金です。迷ったら「そのイベントが増えたとき事業のどの数字が動くか」を自問すると決めやすくなります。
少額でも検証として成立しますか?
最低出稿金額がないため出稿自体は少額で可能ですが、検証として成立させるには設計が要ります。判定に必要な課金イベント数を先に決め、予算内でたまらないなら期間を延ばすか、判定指標をクリックや友だち追加など手前のものに変更します。期間内にたまらなければ「判定不能」と扱い、少ない件数から無理に結論を出さないことが大切です。
運用を代理店に依頼する場合の費用はどう考えればよいですか?
手数料の水準や体系は会社ごとに異なり、公表された統一相場はありません。媒体費に連動する型、固定額の型、複合型などがあるため、見積もりを取ったら総予算ワークシートの「計測・運用費」に外注費として入れ、自社で運用した場合の工数コストと同じ土俵で比較するのが判断手順です。
まとめ:LINE広告の料金は現行仕様×自社の数字で決める
LINE広告の料金を考える起点は、2026年4月1日以降のLINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)です。最低出稿金額と初期費用はなく、クリック・ビューアブルインプレッション・動画再生・友だち追加の4課金タイプから目的に合うものを選び、実際の単価はオークションと自社アカウントの実測でしか分かりません。旧LINE広告時代の単価情報は判断材料から外してください。
判断手順の再確認
- 目的から課金タイプを選ぶ(問い合わせ獲得・認知・動画理解・友だち獲得)
- 受注から割り戻して許容獲得単価を計算する
- 目標件数 × 許容獲得単価で媒体費を出し、クリエイティブ検証費・計測運用費を別枠で積む
- 1日の請求は予算の200%まであり得る前提で資金枠と停止条件を決める
- 実測値が出たら、仮定値をすべて実測値に置き換えて再計算する
配信の細かな最適化は配信AIに任せ、人は構造的に異なる訴求の設計と、有効問い合わせが商談・受注につながっているかの検証に集中する。これが少額からでも学びを最大化する予算の使い方です。
出稿準備では、旧LINE広告の手順ではなく、現行のLINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の管理画面と公式ヘルプを基準にしてください。検証設計やクリエイティブの多様性設計を自社だけで組むのが難しい場合は、実装まで担える外部の運用者に設計部分から相談するのも選択肢です。