リスティング広告の費用相場:まず全体像を把握しよう
リスティング広告の費用は「広告費(クリック費用)」と「運用代行費(代理店手数料)」の2つで構成されます。中小企業では月額10〜50万円、中堅企業では月額50〜200万円が一般的な予算レンジです。
ただし「相場」は業種・競合状況・ターゲットキーワードによって大きく異なります。競争の激しいBtoBや金融業界では1クリック1,000〜3,000円かかるキーワードも珍しくありません。
本記事では業種別のCPC(クリック単価)相場と代行費用の目安を具体的な数値で整理し、自社の適切な予算を設定する方法を解説します。
業種別クリック単価(CPC)の相場
CPC(Cost Per Click)は、広告が1回クリックされるたびに発生する費用です。Googleオークション形式で決まるため、競合が多いキーワードほど高くなります。
業種別CPC相場
| 業種 | CPC相場(目安) | 特徴 |
|---|---|---|
| BtoB SaaS/システム | 500〜3,000円 | 競合が多く高単価 |
| 士業(弁護士・税理士) | 300〜2,000円 | 地域競合あり |
| 不動産 | 200〜1,000円 | エリア・物件タイプで変動 |
| 医療・クリニック | 200〜800円 | 規制あり・地域限定 |
| 人材・採用 | 200〜600円 | 職種・地域で変動 |
| EC(ファッション) | 50〜200円 | 商品名は低単価 |
| EC(家電・PC) | 100〜500円 | ブランド名は安い |
| 飲食・観光 | 50〜300円 | 地域名との組合せ |
CPCを左右する要因
- 品質スコア:広告の関連性が高いと同じ入札額でも優位に表示される
- キーワードの競合数:「システム開発」より「Salesforce導入」の方がニッチで安い場合も
- 時間帯・デバイス・地域:入札調整によってCPCは変動する
月額広告費の目安と予算設定の方法
月額の広告予算は「目標CV数 × 目標CPA」で逆算する方法が最も合理的です。
予算の逆算公式
月額広告費 = 目標月間CV数 × 目標CPA
例)BtoBソフトウェア企業
- 月間問い合わせ目標:10件
- 許容CPA:20,000円
- 必要広告費:10 × 20,000円 = 月額20万円
企業規模別の予算目安
| 企業規模 | 月額広告費目安 | 目的 |
|---|---|---|
| スタートアップ | 5〜30万円 | テスト検証・初期顧客獲得 |
| 中小企業 | 10〜50万円 | 安定的なリード獲得 |
| 中堅企業 | 50〜200万円 | スケール・競合シェア奪取 |
| 大企業 | 200万円〜 | ブランド保護・大量獲得 |
最低限必要な予算
Google広告の機械学習(スマート入札)が機能するには、月間50件以上のCVが目安です。CVが少ない場合は自動入札より手動入札が安定することがあります。
代行費用の相場と計算方法
リスティング広告を代理店に依頼する場合の費用は、広告費に加えて代行手数料が発生します。
代行費用の構成
初期費用
- 相場:5〜20万円
- 内容:アカウント構築・キーワード調査・広告文作成・CV設定
月額手数料
- 一般的な料率:広告費の15〜20%
- 最低手数料:月額3〜10万円(少額予算でも一定額が発生)
合計費用のシミュレーション
| 月額広告費 | 手数料(20%) | 最低手数料 | 毎月の総費用 |
|---|---|---|---|
| 5万円 | 1万円 | 5万円適用 | 10万円 |
| 20万円 | 4万円 | 5万円適用 | 25万円 |
| 50万円 | 10万円 | — | 60万円 |
| 100万円 | 20万円 | — | 120万円 |
月額広告費が少ない段階では最低手数料の割合が高くなります。月額広告費15〜20万円以上になってから代行を依頼するのが費用対効果の観点で合理的です。
費用を抑えながら成果を出すための3つの方法
同じ予算でも、以下の改善施策を実施することで成果を大幅に向上させられます。
方法1:除外キーワードを徹底管理する
無関係な検索語句へのクリック費用を削減します。検索語句レポートを週次で確認し、意図しないクエリを除外リストに追加することで、無駄な広告費を10〜30%削減できるケースがあります。
方法2:品質スコアを7以上に改善する
Googleの品質スコアが高いと、同じ予算で上位表示されCPCが下がります。
- 広告文と検索キーワードの関連性を高める
- ランディングページのコンテンツを充実させる
- 広告表示オプション(サイトリンク・コールアウト)を追加する
方法3:成果の高いキーワードに予算を集中させる
全キーワードに均等に予算を配分せず、CVに貢献しているキーワードに予算を集中させます。月次でCPA・CVRが高いキーワードを特定し、低いキーワードの予算を移し替えることで全体の費用対効果が改善します。
まとめ:相場を知ったうえで自社の適正予算を設定する
リスティング広告の費用相場は業種によって大きく異なりますが、「目標CV数 × 許容CPA」で逆算することで、自社に必要な予算が算出できます。
代行費用を含めた総コストを把握した上で、月額広告費15〜20万円以上を確保できる段階から代理店への依頼を検討することをおすすめします。
費用を抑えるためには、除外キーワード管理・品質スコア改善・予算の集中という3つの改善施策が効果的です。まず3ヶ月の運用データを蓄積し、数値をもとに予算配分を最適化していきましょう。