AIでのLP制作とは?できることと人が決めること
AIでLPの初稿は作れますが、誰に何を約束するかは人が決めます。LP(ランディングページ。広告や検索から来た人が最初に着く1枚のページ)の構成・コピー・デザイン・コードまで、AIは短時間で形にします。一方で、公開後に数字を見て何を直すかの判断も人に残ります。
この記事は、自社の商品やサービスのLPを、制作会社に頼まずAIで早く安く作れないかを調べている担当者の方に向けて書きました。どのツールで、どこまで自動で作れて、どこから人の手が要るのかを順に整理します。
LP制作は、AIで広告クリエイティブを作る流れの一部でもあります。生成AIクリエイティブ制作の6工程は、親記事の側で説明しています。詳しくはAI広告の解説記事をご覧ください。
AIに任せられる工程と、人が決める工程
生成AIでのLP制作とは、工程ごとにAIが初稿を出し、人が決めて確かめる作り方です。私たち株式会社くるみは、この分担を訴求設計、構成・コピー、デザイン、実装、改善の5工程に分けて表に整理しました。

- 訴求設計:AIはたたき台を出し、人が誰に何を約束するかを決めます。
- 構成・コピー:AIが案を量産し、人が1案に絞ります。
- デザイン:AIが初稿を生成し、人がブランド調整をします。
- 実装:AIがコード生成を担い、人が表示と計測を確かめます。
- 改善:AIが差分案を出し、人が数字で判断します。
生成AIでLPを作るメリットとデメリット
生成AIでLPを作る利点は、速い、安い、案を量産できる、の3つです。初稿が早く出るので、時間と費用を抑えながら、訴求違いの案を並べて比べられます。
弱点は、テンプレ化しやすいことと、事実確認が要ることです。AIは学習済みのよくある型を返すため、指示が薄いと他社と似たページになります。実績や表記の誤りも混ざるので、公開前の確認は人の仕事として残ります。
AIでLPを作れる仕組みと3つの作り方
AIは文章の指示からLPを生成し、作り方は3つに分かれます。生成AIは、自然言語の指示(プロンプト)から、構成・文章・レイアウト・HTML/CSS(ページの骨組みと見た目を書く言語)までを生成します。LPの自動生成と呼ばれるものも、中身はこの仕組みです。
出てくるのは、学習済みの「よくあるLPの型」です。指示が薄いと無難なページになり、商品・相手・約束を具体的に渡すほど自社らしい出力に近づきます。Figmaも、レイアウトやセクションを言葉で説明すると、スタイリング済みのページに変換できると案内しています(Figma公式)。
作り方は、チャットAI型、LPツール型、コード生成型の3つです。どこまでをAIに生成させるかで分かれます。

- チャットAI型:チャットAIに構成とコピーを考えさせ、ページは別の手段で組みます。
- LPツール型:AI搭載のLP作成ツールで、ページごと生成します。
- コード生成型:AIエージェントやコーディングAIに、コードまで書かせます。
チャットAI型:構成とコピーを考えさせる
チャットAI型は、ChatGPTやClaudeのような対話型のAIに、構成とコピーを考えさせる作り方です。ページの組み立ては、手元のLPツールや既存のテンプレートで行います。
向くのは、すでにページを作る手段があり、中身の案を増やしたい場合です。訴求違いの見出しやCTA(申込みや問い合わせへ促すボタンと文言)を並べて出させ、人が1案に絞ります。
LPツール型:AI搭載のツールでページごと生成する
LPツール型は、AI搭載のLP作成ツールに商品の説明を入力し、ページごと生成する作り方です。レイアウト・文章・画像の配置までが一度に出て、画面上の操作で直せます。
コードに触れずに公開まで進められるので、初めての1本に向きます。Canvaのように、デザインツールの側がLP作成の機能を案内している例もあります(Canva公式)。
コード生成型:AIエージェントで実装まで進める
コード生成型は、コーディングAIやAIエージェント(指示を受けて、複数の作業を自分で進めるAI)に、実装まで進めさせる作り方です。AIエージェントでのLP制作は、この型に入ります。デザインの自由度が高く、部品を使い回して複数本を回す運用にも向きます。
その分、サーバーへの公開や計測の設定など、コードの扱いが分かる人が必要です。生成されたコードをそのまま載せるのではなく、表示と動作を人が確かめる前提で使います。
3つの型に共通するのは、AIが担うのが初稿づくりという点です。私たちは、初稿づくりのような中間作業からAIに置き換わりやすく、訴求設計と数字での判断は人に残りやすいと見て、制作の分担を決めています。両端に人の仕事が残るこの見立てを、バーベル戦略と呼んでいます。
LPそのものの組み立て方の基本は、別の記事にまとめました。詳しくはLPの作り方の解説記事をご覧ください。
LP制作AIツールの選び方|無料でどこまで作れるか
ツールは、コードを触るかと何本回すかの2軸で選びます。無料では、生成と試作まで進められるものが多くあります。おすすめのツール名から探すより、先に型を決めて、その中で選ぶほうが早く決まります。
軸の1つ目は、コードを触るか、触らないかです。2つ目は、1本だけ作るのか、複数本を回すのかです。この2軸で自社の位置を決めると、向く型が絞れます。

- コードを触らない×1本だけ:LPツール型が向きます。生成から公開までを1つの画面で進められます。
- コードを触らない×複数本を回す:チャットAI型で案を量産し、LPツール型のテンプレートに流し込みます。
- コードを触る×1本だけ:コード生成型で、デザインを作り込んだ1本を実装します。
- コードを触る×複数本を回す:コード生成型で部品と設計書を整え、使い回して本数を回します。
型ごとの代表的なLP作成AIツール
検索上位の記事で共通して挙がるツールを、型ごとに名前と向く用途だけ整理しました。機能や提供条件は変わるため、2026年9月時点の情報として見てください。
| 自社の位置 | 向く型 | 代表例(2026年9月時点) | 向く用途 |
|---|---|---|---|
| コードを触らない×1本だけ | LPツール型 | Canva、ジンドゥー、Wix、ペライチ | まず1本を公開まで進める |
| コードを触らない×複数本を回す | チャットAI型+LPツール型 | ChatGPT、Claude | 訴求違いの構成とコピーを量産する |
| コードを触る×1本だけ | コード生成型 | Figma Make、v0 | デザインを作り込んだ1本を実装する |
| コードを触る×複数本を回す | コード生成型 | Claude Code、Manus | 部品と設計書を使い回して本数を回す |
無料でどこまで作れるか
無料の範囲は、生成と試作までと考えておくと実態に合います。LPを自動生成するAIは、無料でページの生成や下書きの保存まで試せるものが多くあります(2026年9月時点)。
有料になりやすいのは、独自ドメインでの公開、フォームの設置、計測との連携の3つです。広告の受け皿として使うならどれも必要になるので、無料枠は出力の質を見比べる場として使うのが現実的です。
自作か、依頼か、伴走か
自作が向くのは、訴求が固まっていて、計測の設計も自分たちでできる場合です。訴求がまだ固まっていない、計測設計ができない、という場合は、制作会社への依頼や伴走支援が向きます。AIで初稿を作ってから相談すると、依頼の中身も具体的になります。詳しくはLP制作の依頼先と進め方の解説記事をご覧ください。
AIを使ったLP制作の手順とプロンプト例
手順は、訴求を人が決めてからAIに指示を出す6工程です。目的と訴求、構成案、コピー、デザイン生成、実装・公開、計測・改善の順に進めます。AIに指示を出すのは構成案からで、その前後は人が決めて確かめる工程です。

目的と訴求:誰に何を約束するか
最初の工程では、誰に何を約束するかを人が決めます。ここが曖昧なままAIに渡すと、どの商品にも当てはまる無難なページが返ってきます。商品、相手の状況、約束、約束を支える根拠、CTAの5点を先に書き出します。
AI広告では、誰に当てるかより、何を見せるかを先に決めます。配信の仕組みが、見せたクリエイティブに反応する人を探してくるためです。私たちはこれを「クリエイティブがターゲットを連れてくる」と捉え、広告の訴求とLPのファーストビュー(ページを開いて最初に見える範囲。FV)を同じ約束で揃えると決めています。
構成案:AIに骨子を出させる
構成案は、決めた訴求をそのまま渡して、AIに骨子を出させます。生成AIでLPを作成するときのプロンプトは、次の形で埋めると使いやすくなります。
あなたはLPの構成を設計する編集者です。次の条件で、LPの構成案を、見出しと各セクションの要点で出してください。
- 商品:【商品・サービス名と概要】
- ターゲット:【誰の、どんな状況】
- 約束:【読んだ人に約束すること】
- 根拠:【確認済みの実績・仕組み・第三者の評価】
- CTA:【申込み/資料請求/問い合わせ】
条件にない実績や数字は書かず、不足する情報は質問として返してください。
コピー:案を量産して絞る
コピーは、AIに案を量産させて、人が絞ります。1案ずつ直させるより、切り口を変えた案を並べて出させるほうが、比べて選びやすくなります。
上の構成案のファーストビュー用に、キャッチコピーとCTAの文言を、切り口を変えて複数案出してください。
- 約束:【読んだ人に約束すること】をそのまま軸にする
- 切り口:悩みから入る案、得られる結果から入る案、根拠から入る案
- 条件:【根拠】にない表現、誇張した表現は使わない
各案に、どの切り口かを1行で添えてください。
キャッチコピーの作り方そのものは、兄弟記事「AIでのキャッチコピー生成」で扱う予定です。
デザイン生成:FVと画像を作る
デザイン生成では、FVと画像を作ります。AIでのLPデザインは、色・余白・フォント・トーンといったデザインのルールを、設計書として先に渡すと無難な出力を避けやすくなります。AIは設計書がないと、平均的な見た目を返すためです。
次のデザイン設計書に従って、LPのファーストビューを生成してください。
- 商品と約束:【商品】/【読んだ人に約束すること】
- 色:【メインカラー・サブカラー・背景色】
- 余白:【広め/標準。要素間の間隔の考え方】
- フォント:【見出し用・本文用】
- トーン:【落ち着いた/親しみやすい など】
- 入れる要素:キャッチコピー、補足の1文、CTAボタン、メイン画像
スマートフォンでの表示を優先し、CTAボタンは最初の画面内に置いてください。
LP用の画像を生成AIで作る場合も、同じ設計書を添えるとページ全体のトーンが揃います。広告バナーと同じ約束、同じ絵柄でFVを作ると、クリックした人が違和感なく読み進められます。バナーの生成と画像生成の活用は、それぞれ兄弟記事「AIでのバナー生成」「AI広告での画像生成活用」で扱う予定です。
実装・公開:表示と計測を確認
実装・公開では、AIが出したページの表示と計測を人が確かめます。公開前に、次の点を実機で見ます。
- スマートフォンで、FVにキャッチコピーとCTAが収まっているか
- フォームが送信でき、完了画面と通知が動くか
- 計測タグ(訪問や申込みを記録する仕組み)が申込み完了を記録しているか
- 画像が重すぎず、表示が遅くなっていないか
計測・改善:結果を次の制作へ
計測・改善では、配信結果を次の制作に戻します。どこで離脱しているかを数字で見て、直す場所を決めてから、AIに差分案を出させます。詳しくはLPの改善(LPO)の解説記事をご覧ください。
AIでLP制作するときの注意点と失敗パターン|私たちの回し方
失敗の多くは、AIの出力をそのまま公開して終わることで起きます。注意点は、公開前の確認が4つ、公開後の運用が1つです。前半で公開前の確認を、後半で私たちの回し方を説明します。
AI生成のまま公開しない
AIが書いた文章には、事実と違う記述が混ざります。もっともらしい実績や、存在しない受賞歴が入ることもあります。公開前に、次の3点を人が確かめます。
- 事実:商品の仕様、提供条件、対応範囲が実際と合っているか
- 実績:数字や導入先の記述に、社内で確認できる根拠があるか
- 表記:社名、商品名、法令上必要な表示に誤りや漏れがないか
デザインがテンプレ化しやすい
AIのデザインは、指示が薄いと他社と似た見た目になります。学習済みのよくある型を返すためです。手順の節で触れたデザインの設計書を渡し、FVだけは人が手を入れる、と決めておくと差が出ます。
ブランドガイドラインとの整合を取る
ロゴの扱い、色、言葉づかいが、既存のサイトや広告と揃っているかを確かめます。LPだけ雰囲気が違うと、広告から来た人が別の会社のページだと感じて離れます。ガイドラインがある場合は、その内容をプロンプトに含めて生成します。
著作権と景品表示を確認する
生成した画像や文章は、既存の著作物に似ていないかを確かめます。AIと著作権の関係は、文化庁が考え方を資料として公開しています(2026年9月時点)。利用するツールの利用規約とあわせて、公開前に目を通しておくと安心です。
コピーの側では、景品表示法(実際より良く見せる表示を禁じる法律)に触れる表現がないかを見ます。AIは強い言い回しを出しやすいので、根拠のない最上級表現は削ります。AI広告が批判を集めた事例は、兄弟記事「AI広告の炎上事例」で扱う予定です(出典:文化庁「AIと著作権に関する考え方について」)。
公開後は結果を戻す:私たちの回し方
LPの運用は、作って終わりにするか、結果を戻すかで分かれます。

- 作って終わり:公開した時点で制作が止まり、配信結果がLPに反映されません。
- 結果を戻す:配信結果を見て、直す場所を決め、次の制作に反映します。
結果を戻す手順を、私たちは「くるみバディ広告学習ループ」と呼んで、次の順で進めています。
- 配信結果を見る。広告とLPの数字を分けずに、並べて確認します。
- 広告不調の一次診断をする。比較で負けているのか、比較されていないのかを切り分けます。
- LPの差分案をAIで出す。診断で決めた場所だけを変えた案を作らせます。
- 差し替えて検証する。ABテスト(2案を同時に出して比べる検証)で、数字を見て採否を決めます。
比較されていない状態とは、広告が見られず、候補に入っていない状態です。この場合は広告の訴求から見直します。比較で負けている状態とは、LPまで来た人が他社と比べて離れている状態で、LPの約束や根拠の見せ方を直します。
よく見るパターンを1つ挙げます。サービス業の支援で、拠点ごとに分けていた配信を統合LPにまとめたところ、CPA(1件の獲得にかかった広告費)が拠点別の配信より1桁低くなりました。配信の結果が1か所に集まり、学習と改善が進みやすくなったと私たちは見ています。匿名の自社支援記録で第三者未検証の数字です。
広告とLPは、片方だけ直しても数字が動きにくい組み合わせです。広告とLPを一緒に見直したい場合は、Meta広告(旧Facebook広告)の運用支援のページに進め方をまとめました。配信結果を見る、診断する、差分案を出す、検証する。私たちはこの順で回しています。
AIでのLP制作によくある質問
よくある疑問は、無料・知識・プロンプト・権利・外注の5つです。1問ずつ短く答えます。
無料でLPを自動生成できるAIはありますか?
あります。ページの生成や試作までは、無料で試せるツールが多くあります(2026年9月時点)。ただし、独自ドメインでの公開、フォームの設置、計測との連携は有料になりやすい部分です。無料枠は、出力の質を見比べる場として使うと無駄がありません。
プログラミングの知識は必要ですか?
LPツール型とチャットAI型なら、なくても進められます。Figmaも公式ページで、コーディングは不要と案内しています。AIエージェントなどのコード生成型を選ぶ場合は、公開や計測の設定でコードの扱いが分かる人がいると安心です。
LP制作のプロンプトには何を書けばよいですか?
商品、ターゲット、約束、根拠、CTAの5点を書きます。加えて、条件にない実績や数字は書かない、と明記しておくと、事実と違う記述が減ります。デザインを生成させるときは、色・余白・フォント・トーンを設計書として添えます。
AIで作ったLPの画像やデザインは商用利用できますか?
ツールごとの利用規約によります。商用利用の可否や条件は変わりうるので、2026年9月時点の規約を公開前に確かめてください。既存の著作物に似ていないかの確認も必要です。考え方は文化庁の公開資料が参考になります。
AIがあれば制作会社は不要ですか?
役割が変わる、と捉えるのが実態に近い答えです。初稿はAIが作れますが、訴求設計と公開後の検証は人の仕事として残ります。訴求が固まっていて計測も組めるなら自作で進められます。そこに不安がある場合は、依頼や伴走と組み合わせると進めやすくなります。
まとめ:AIは初稿まで、決めるのは人
まず1本、AIで初稿を作るところから始められます。AIでLPの初稿は作れます。作り方はチャットAI型、LPツール型、コード生成型の3つで、コードを触るか、何本回すかで選びます。公開後に結果を戻すところまでが制作です。
全体の分担をもう一度載せます。訴求設計、構成・コピー、デザイン、実装、改善のどの工程でも、AIが初稿を出し、人が決めて確かめます。

次の一手は、LPツール型かチャットAI型で、1本の初稿を作ることです。そのとき、広告の訴求とファーストビューを同じ約束で揃えてください。そこが揃っていれば、公開後の数字から直す場所を決めやすくなります。
LP制作に限らず、どの業務からAIに置き換えるかを整理したい場合は、おきかえくんのページもあわせてご覧ください。AI広告の全体像は、冒頭で紹介した親記事にまとめています。



