LINE広告の設定方法を5ステップで解説
LINE広告は月間9,700万人(2026年時点)が利用するLINEプラットフォーム上に広告を配信できるサービスだ。ユーザー数の多さから、他のSNS広告ではリーチできない層にもアプローチできる点が強みとなる。
この記事の対象者
- LINE広告を初めて導入・設定する担当者
- 既存の設定手順を見直して改善したい方
- 正しい手順を体系的に把握したい方
この記事では、LINE広告の管理画面(LINE Ad Manager)でのアカウント開設から配信開始まで、5つのステップに分けて具体的な操作手順を説明する。事前にLINE広告の費用体系と料金相場を確認しておくと、予算設定の段階でスムーズに進められる。
設定にかかる所要時間は、審査待ちを除いて約30〜60分。画面キャプチャの代わりに操作手順を細かく記載しているため、管理画面を開きながら読み進めてほしい。
LINE広告の設定前に準備すべき4つの項目
LINE広告の設定作業に入る前に、4つの準備を完了させておく。準備不足のまま設定を始めると、途中で作業が止まり、審査のやり直しで1〜3営業日のロスが発生する。
LINEビジネスIDとLINE公式アカウントの用意
LINE広告の利用にはLINEビジネスID(メールアドレスで登録)とLINE公式アカウントの2つが前提条件となる。LINE公式アカウントはLINE for Businessから無料で作成でき、未認証アカウントでも広告配信は可能だ。ただし、認証済みアカウントの方が審査通過率が高い傾向にある。
広告クリエイティブと遷移先URLの準備
| 素材 | 推奨サイズ | ファイル形式 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 静止画(小) | 600×400px | JPG / PNG | Smart Channel向け |
| 静止画(大) | 1200×628px | JPG / PNG | タイムライン向け |
| カード型 | 1080×1080px | JPG / PNG | 正方形フォーマット |
| 動画 | 最大1GB | MP4 | 5〜60秒推奨 |
遷移先のランディングページURLも事前に確定させておく。審査ではLPの内容もチェック対象になるため、薬機法・景表法に抵触する表現がないか確認が必要だ。
計測環境の整備
GA4とGTM(Googleタグマネージャー)の基本設定を完了させておく。LINE広告独自の計測タグ「LINE Tag」もこの後のステップで設置するが、GA4側でUTMパラメータを使った流入計測ができる状態にしておくと、クロスチャネルでの効果比較が容易になる。GA4の初期設定がまだの場合はGA4の導入・設定ガイドを参照してほしい。
KPIと予算の明確化
配信開始前にKPI(CV数・CPA・ROAS等)と日予算・月予算を数値で定めておく。LINE広告の最低出稿金額に制限はないが、機械学習による最適化が機能し始めるには月額10万円以上、1キャンペーンあたり40件以上のCV蓄積が目安となる。
LINE広告の設定手順|5ステップで配信開始まで
ここからは、LINE Ad Managerでの具体的な設定手順を5つのステップで説明する。
ステップ1:広告アカウントの開設と審査申請
LINE Ad ManagerにLINEビジネスIDでログインし、「広告アカウントを作成」を選択する。入力項目は以下の通りだ。
- 広告主情報: 会社名・住所・電話番号・業種
- 商材情報: 広告で訴求する商品・サービスのURL
- 基本設定: アカウント名・タイムゾーン(アジア/東京)・通貨(日本円)
申請後、LINE側の審査が入る。審査期間は通常1〜3営業日。業種によっては追加書類の提出を求められるケースもある。
ステップ2:LINE Tagの発行と設置
アカウント審査通過後、管理画面の「トラッキング」→「LINE Tag」からタグを発行する。LINE Tagは3種類ある。
| タグ種類 | 設置場所 | 役割 |
|---|---|---|
| ベースコード | 全ページの<head>内 |
サイト訪問者データの収集 |
| コンバージョンコード | サンクスページ | CV計測 |
| カスタムイベントコード | 任意のページ | 中間CVやマイクロCV計測 |
GTMを使う場合は、カスタムHTMLタグとしてベースコードを全ページに配信し、コンバージョンコードはサンクスページのみにトリガー設定する。設置後はGTMのプレビューモードでタグの発火を確認すること。
ステップ3:キャンペーンの作成
「キャンペーン」→「新規作成」から、配信目的を選択する。2026年時点で選択できる主な目的は以下の通り。
- ウェブサイトコンバージョン: ECサイトや問い合わせフォームへの誘導
- ウェブサイトへのアクセス: 記事やLPへのトラフィック獲得
- アプリのインストール: アプリDL促進
- 友だち追加: LINE公式アカウントの友だち獲得
入札戦略は、CV数が十分に蓄積されるまでは「手動入札(CPC)」で開始し、月40件以上のCVが安定したら「自動入札(目標CPA)」へ移行するのが実務的なアプローチだ。
ステップ4:広告グループとターゲティングの設定
広告グループでは配信対象のセグメントを設定する。LINE広告のターゲティングは大きく3カテゴリに分かれる。
- デモグラフィック: 年齢(5歳刻み)・性別・地域・OS
- オーディエンス: LINE Tagデータを使ったリターゲティング、類似オーディエンス(1%〜15%)
- 詳細ターゲティング: 興味関心・行動データ(LINE内の閲覧履歴等)
初回配信ではターゲティングを広めに設定し、3〜7日間のデータ蓄積後に絞り込む方法が効率的だ。日予算は最低でも想定CPAの2〜3倍を設定し、機械学習に十分なデータを供給する。
ステップ5:広告クリエイティブの入稿と配信開始
広告グループ内で「広告を作成」から、準備したクリエイティブをアップロードする。入稿時のチェックポイントは以下だ。
- タイトル: 全角20文字以内(簡潔にベネフィットを訴求)
- ディスクリプション: 全角75文字以内
- 画像・動画: ステップ0で準備したサイズに合致しているか
- 遷移先URL: 正しいLPに飛ぶか、パラメータ付きか確認
クリエイティブの審査は通常24時間以内に完了する。審査通過後、キャンペーンのステータスを「配信中」に切り替えれば広告配信が開始される。

LINE広告の設定でよくあるトラブルと対処法
LINE広告の設定工程で発生しやすいトラブルを3つ取り上げ、それぞれの原因と対処法を整理する。
トラブル1:LINE Tagが正しく発火しない
原因: GTMでの設置時にトリガー条件が間違っている、またはタグの読み込み順序の問題でベースコードより先にコンバージョンコードが実行されるケースが多い。
対処法: GTMのプレビューモードで該当ページを開き、Tags Firedセクションにベースコード→コンバージョンコードの順で表示されるか確認する。表示されない場合はトリガーの条件(ページURL、イベント名)を再設定する。LINE Ad Managerの「LINE Tagテスト」機能でもタグの動作検証が可能だ。
トラブル2:広告アカウントの審査が否認される
原因: LPに以下のような記載がある場合、審査落ちの可能性が高い。
| 否認理由 | 具体例 | 対処法 |
|---|---|---|
| 誇大表現 | 「効果保証」「日本一」 | エビデンスの明示 or 表現の修正 |
| 薬機法抵触 | 「治る」「痩せる」 | 承認された効能表現に変更 |
| 遷移先不備 | 404エラー、SSL未対応 | URL修正、HTTPS化 |
| 業種制限 | 出会い系、ギャンブル等 | LINE広告の広告審査ガイドラインを確認 |
否認された場合は、管理画面の「審査ステータス」から否認理由を確認し、修正後に再申請する。再審査も1〜3営業日かかるため、余裕を持ったスケジュールを組んでおきたい。
トラブル3:配信開始後にインプレッションが出ない
原因: 日予算が低すぎる、ターゲティングが狭すぎる、または入札単価が競合より低い場合に発生する。
対処法: まず「配信」タブでキャンペーン・広告グループ・広告それぞれのステータスがすべて「配信中」になっているか確認する。問題がなければ、日予算を1.5〜2倍に引き上げるか、ターゲティングの年齢幅・地域を広げて配信ボリュームを確保する。CPC手動入札の場合は、推奨入札単価の範囲内で単価を上げてみる。
配信開始後24〜48時間はLINEの配信アルゴリズムが学習する期間のため、この間は設定変更を控えるのが望ましい。

LINE広告の効果を高める運用のコツ
設定完了後の運用フェーズで、費用対効果を改善するための4つのポイントを紹介する。
クリエイティブは3パターン以上を同時テストする
LINE広告ではクリエイティブの摩耗(フリークエンシー上昇によるCTR低下)が早い傾向がある。1つの広告グループにつき最低3パターンのクリエイティブを入稿し、2週間ごとにCTRが低下したものを差し替える運用が効果的だ。Meta広告ライブラリで競合クリエイティブを調査する方法も参考になる。
類似オーディエンスの拡張率を段階的に広げる
CV済みユーザーのデータをもとに類似オーディエンス(Lookalike)を作成する場合、まず1%(最も類似度が高い層)で配信し、CPAが安定したら3%→5%と段階的に拡張する。一気に15%まで広げると、精度が低下してCPAが悪化するリスクがある。
配信面ごとのパフォーマンスを分析する
LINE広告はトークリスト、LINE NEWS、LINE VOOM、外部アプリ(LINE広告ネットワーク)など複数の配信面に展開される。配信面ごとにCTR・CVR・CPAは大きく異なるため、広告グループレポートで配信面別の成果を確認し、効率の悪い面は除外設定する。
| 配信面 | 特徴 | 向いている商材 |
|---|---|---|
| トークリスト | 最もリーチが広い | 認知拡大・幅広い商材 |
| LINE NEWS | ニュース閲覧中のユーザー | 情報感度の高い層向け商材 |
| LINE VOOM | 動画・画像がメイン | ビジュアル訴求力のある商材 |
| LINE広告ネットワーク | 外部アプリへの配信 | リーチ拡大・低CPC重視 |
週次レポートでPDCAを回す
最低でも週1回、以下の指標をチェックする。
- CPA: 目標値との乖離(乖離が20%以上なら入札・ターゲティングを調整)
- CTR: 0.3%未満ならクリエイティブの差し替えを検討
- フリークエンシー: 3.0以上で摩耗の兆候、新クリエイティブを追加
- CV数: 1日あたりの推移で異常値を早期検知
運用フェーズの知見はSNS広告運用の基本と実践ステップでも体系的にまとめている。

まとめ
LINE広告の設定方法を5つのステップで解説した。
| ステップ | 内容 | 所要時間目安 |
|---|---|---|
| 事前準備 | LINEビジネスID・公式アカウント・素材・KPI | 1〜2日 |
| アカウント開設 | 広告アカウント作成・審査申請 | 10分+審査1〜3営業日 |
| LINE Tag設置 | ベースコード・CVコードの設置と動作確認 | 30〜60分 |
| キャンペーン設定 | 配信目的・入札戦略・ターゲティング | 30〜60分 |
| 入稿・配信開始 | クリエイティブアップロード・審査・配信ON | 10分+審査24時間 |
初期設定は全体の20%に過ぎない。配信開始後のクリエイティブテスト、ターゲティング調整、配信面の最適化こそが成果を左右する。
curumiでは、LINE広告を含むSNS広告の戦略設計から運用改善まで一気通貫で支援している。「設定はできたが成果が出ない」「運用を任せたい」という場合は、お気軽にご相談ください。