LINE広告とは?基本の仕組みを理解する
LINE広告とは、コミュニケーションアプリ「LINE」のトークリスト・LINE NEWS・LINE VOOMなどに配信できる運用型広告プラットフォームです。2026年時点でLINEの月間アクティブユーザー数(MAU)は約9,700万人に達し、日本人口の約77%をカバーしています。
この記事でわかること
- LINE広告の配信面と広告フォーマットの全体像
- 費用相場とCPC・CPMの目安
- ターゲティングの種類と設定方法
- アカウント開設から配信開始までの手順
SNS広告の中でもLINE広告は「他のSNSではリーチできない層」に届く点が特徴です。総務省「令和5年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、10代から60代まで全年代で利用率80%を超えるSNSはLINEだけです。
この記事では、LINE広告の配信面・費用・ターゲティング・始め方を2026年の最新情報で整理します。
LINE広告の配信面と広告フォーマット
主要な配信面の特徴
LINE広告は14種類以上の配信面を持ち、目的に応じて使い分けが可能です。主要な配信面とそれぞれの特徴を整理します。
| 配信面 | 月間表示回数の目安 | 特徴 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|
| トークリスト | 最大規模 | LINEで最もアクセス頻度が高い画面の最上部に表示 | 認知拡大・リーチ最大化 |
| LINE NEWS | 約7,700万MAU | ニュース閲覧中のユーザーに自然に表示 | 記事LP誘導・情報訴求 |
| LINE VOOM | 約7,200万MAU | 動画・画像を中心としたタイムライン | 動画広告・ブランディング |
| ホーム | 高頻度 | LINEアプリのホームタブに表示 | 幅広いリーチ |
| LINE広告ネットワーク | 1万以上のアプリ | LINE以外の提携アプリに配信 | リーチ拡張・リタゲ |
広告フォーマットの選び方
配信面ごとに利用できるフォーマットが異なります。2026年時点で選択可能な主要フォーマットは以下の通りです。
- Card(1200×628px): 横長の画像広告。LINE NEWS・トークリストなど多くの面に対応し、汎用性が高い
- Square(1080×1080px): 正方形の画像広告。LINE VOOMやタイムラインで視認性が高い
- Vertical(9:16): 縦型の動画広告。LINE VOOMのフルスクリーン表示に対応
- カルーセル: 最大10枚の画像をスライド表示。複数商品やストーリー訴求に適している
- 画像+テキスト: Small Image Adとも呼ばれ、トークリスト最上部に表示されるテキスト主体の広告
クリエイティブ制作では、最初の3秒で訴求ポイントを伝えることが重要です。LINE社の公式レポートによると、動画広告の平均視聴時間は約6秒であり、冒頭での訴求がクリック率に直結します。
配信面やフォーマットの詳細はLINE広告の費用相場と料金体系でも解説しています。

LINE広告の費用相場とCPC・CPMの目安
課金方式と最低出稿額
LINE広告の課金方式は大きく3種類あります。最低出稿金額の制限はなく、1日1,000円程度から配信を開始できます。
| 課金方式 | 単価目安(2026年) | 適した配信目的 |
|---|---|---|
| CPC(クリック課金) | 40〜150円/クリック | サイト誘導・CV獲得 |
| CPM(インプレッション課金) | 400〜900円/1,000imp | 認知拡大・リーチ |
| CPF(友だち追加課金) | 100〜300円/友だち追加 | LINE公式アカウントの友だち獲得 |
業種別の費用感
費用は業種・競合状況・ターゲティング精度によって大きく変動します。以下は業種別のCPC目安です。
| 業種 | CPC目安 | 備考 |
|---|---|---|
| EC・通販 | 50〜100円 | 商品画像のクリエイティブ品質がCPCに直結 |
| 不動産 | 80〜200円 | エリアターゲティングとの組み合わせが有効 |
| 人材・求人 | 60〜150円 | 年齢・興味関心セグメントで絞り込み |
| 金融・保険 | 100〜250円 | 競合が多く単価が高騰しやすい |
| 美容・健康 | 40〜120円 | 女性ターゲティングとの相性が良い |
予算設定の考え方
初期テストでは月額10〜30万円を推奨します。この予算であれば、2〜3週間でクリエイティブの勝ちパターンを特定し、CPAの基準値を把握できます。
LINE広告の入札戦略と費用対効果の詳細も参考にしてください。また、他のSNS広告との費用比較はSNS広告の費用相場を媒体別に比較で整理しています。

ターゲティングの種類と精度
デモグラフィックターゲティング
LINE広告では、年齢(5歳刻み)・性別・地域(都道府県・市区町村)・OS・言語でセグメントを設定できます。LINEは電話番号認証が前提のため、他のSNS広告と比較してデモグラフィック情報の精度が高い傾向にあります。
オーディエンスターゲティング
より精度の高い配信を行うためのオーディエンス設定は以下の通りです。
| ターゲティング種別 | 概要 | 活用シーン |
|---|---|---|
| リターゲティング | サイト訪問者やアプリ利用者に再配信 | カート離脱ユーザーへの再アプローチ |
| 類似オーディエンス | CV済みユーザーに似た属性のユーザーを自動抽出 | 新規見込み顧客の獲得 |
| IDFA/AAIDアップロード | 保有する端末IDリストに配信 | 既存顧客向けキャンペーン |
| LINE公式アカウント連携 | 友だちリストをオーディエンスとして利用 | CRM施策との連携 |
| 興味関心ターゲティング | 18カテゴリ・興味関心セグメント | 潜在層への認知拡大 |
クロスターゲティングの活用
2026年時点で注目すべき機能がクロスターゲティングです。LINE公式アカウントで取得したユーザーデータ(メッセージ開封・リッチメニュータップなど)をLINE広告のオーディエンスとして活用できます。
例えば「LINE公式アカウントのメッセージを開封したが、リンクをクリックしなかったユーザー」に広告を配信し、再アプローチすることが可能です。CRM施策と広告施策を連動させることで、CPAを20〜30%改善した事例も報告されています。
ターゲティングの設定方法はLINE広告の始め方ガイドで詳しく解説しています。
LINE広告の運用で成果を出す3つのポイント
ポイント1: クリエイティブの高速PDCAが成果を分ける
LINE広告はクリエイティブの疲弊(フリークエンシー上昇によるCTR低下)が比較的早く発生します。LINE for Businessの公式ガイドラインでは、2〜3週間ごとのクリエイティブ差し替えを推奨しています。
成果を出している広告主は、月に8〜12パターンのクリエイティブを用意し、ABテストで勝ちパターンを特定しています。テスト時は「訴求軸」「ビジュアル」「CTA文言」の3要素を1つずつ変更し、何が効いたかを明確にすることが重要です。
参考: LINE for Business - クリエイティブ配信の最適化
ポイント2: 自動入札の学習期間を確保する
LINE広告の自動入札(機械学習最適化)は、1広告グループあたり週40件以上のCVデータが蓄積されると最適化が安定します。初期段階でCVが少ない場合は、マイクロCVの設定が有効です。
例えばECサイトであれば「購入」をCVに設定するのではなく、「カート追加」や「商品詳細の閲覧」など手前のアクションをCV地点に設定し、学習データを早期に蓄積します。学習完了後に本来のCV地点へ切り替える段階的なアプローチが推奨されます。
ポイント3: LINEならではの配信面を活かした戦略
トークリスト広告はLINE広告で最もリーチが大きい配信面ですが、ユーザーの滞在時間は短い傾向にあります。一方、LINE NEWSはコンテンツを読む姿勢のユーザーが多く、記事LPとの相性が良好です。
配信面ごとの特性を理解し、認知目的ならトークリスト、CV目的ならLINE NEWS+リターゲティングという使い分けが効果的です。Meta広告との比較や媒体選定も併せて検討すると、予算配分の精度が上がります。

業種別LINE広告の活用事例
事例1: ECアパレルブランドの友だち追加キャンペーン
あるアパレルECブランドでは、LINE公式アカウントの友だち追加広告(CPF課金)を活用し、3か月で友だち数を5,000人から28,000人に拡大しました。友だち追加後にステップ配信で初回購入クーポンを送付し、友だち追加からの購入率12.3%を達成しています。
この施策のポイントは、友だち追加の単価を200円以下に抑えるためにクリエイティブを週次でテストし、さらに類似オーディエンスを組み合わせて質の高いユーザーを獲得した点です。
事例2: 不動産仲介のエリアターゲティング
地方都市の不動産仲介会社がLINE広告を導入し、物件問い合わせ数を月間15件から42件に増加させた事例です。市区町村レベルのエリアターゲティングと、30〜45歳の子育て世帯を興味関心ターゲティングで絞り込みました。
CPAは当初18,000円でしたが、クロスターゲティングの導入とクリエイティブの最適化により、3か月後には11,200円まで低減しています。Google広告のリスティングと比較して、CPAは約15%高いものの、獲得リードの成約率が1.8倍という結果が得られました。
参考: LINE広告の成功事例 - LINE for Business
事例3: BtoB SaaS企業のホワイトペーパー訴求
BtoB SaaSの企業がLINE広告でホワイトペーパーダウンロードを訴求した事例です。「ビジネス」「IT」の興味関心カテゴリと、25〜54歳の男性に配信を絞りました。
BtoB領域ではLINE広告の活用が少ない分、CPCが35〜60円と他媒体より安価に獲得できています。ホワイトペーパーDL後のリードナーチャリングと組み合わせることで、商談化率8.5%を実現しました。

LINE広告の始め方:アカウント開設から配信まで
ステップ1: LINEビジネスIDの取得とアカウント開設
LINE広告を始めるには、まずLINE for BusinessでLINEビジネスIDを取得します。メールアドレスまたはLINEアカウントで登録し、広告アカウントの作成画面へ進みます。審査には通常1〜3営業日かかります。
ステップ2: LINE Tagの設置
配信前にLINE Tag(計測用タグ)をサイトに設置します。設置が必要なタグは以下の3種類です。
| タグ種類 | 設置場所 | 役割 |
|---|---|---|
| ベースコード | 全ページの<head>内 |
サイト訪問の計測・リターゲティング用 |
| CVコード | サンクスページ | コンバージョン計測 |
| カスタムイベントコード | 任意のページ | マイクロCV・特定アクションの計測 |
GTM(Googleタグマネージャー)を利用している場合は、LINE広告用のテンプレートタグが用意されているため、コード編集なしで設置できます。
ステップ3: キャンペーン構造の設計
LINE広告のアカウント構造は「キャンペーン → 広告グループ → 広告(クリエイティブ)」の3階層です。
- キャンペーン: 配信目的(Webサイトへのアクセス・CV・友だち追加など)と予算上限を設定
- 広告グループ: ターゲティング・入札戦略・配信面を設定。1キャンペーンに3〜5グループを推奨
- 広告: クリエイティブ(画像/動画+テキスト)を登録。1グループに3〜5本のクリエイティブを入稿
ステップ4: 審査通過のチェックポイント
LINE広告の審査は比較的厳格です。以下の項目は事前に確認してください。
- LP内に運営者情報(会社名・住所・連絡先)が明記されていること
- 薬機法・景品表示法に抵触する表現がないこと
- 最上級表現(「No.1」「業界最安値」など)には根拠データの明示が求められる
- LPの表示速度が極端に遅い場合、審査でNGになることがある
審査に落ちた場合は、LINE広告マネージャーの通知で理由を確認し、修正後に再申請します。通常1〜2営業日で再審査が完了します。

まとめ
LINE広告は、月間9,700万人のユーザーベースと14種類以上の配信面を持つ運用型広告プラットフォームです。他のSNSではリーチできないユーザー層に届く点が最大の強みといえます。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 配信面 | トークリスト・LINE NEWS・LINE VOOMなど目的別に使い分け |
| 費用 | CPC 40〜150円、CPM 400〜900円。月額10〜30万円でテスト開始可能 |
| ターゲティング | デモグラフィック+オーディエンス+クロスターゲティングの組み合わせ |
| 成果の鍵 | クリエイティブの高速PDCA(月8〜12パターン)と自動入札の学習データ確保 |
くるみでは、LINE広告を含むSNS広告の戦略設計から運用改善まで一気通貫で支援しています。「配信を始めたいが設定方法がわからない」「CPAが下がらず改善したい」といった課題がありましたら、お気軽にご相談ください。